【第3回】約30年ぶりとなる国税システムの大規模更改 ~KSK2の目的~

更新日:2026年10月16日

目次

  • KSK2の目的
  • AI-OCRの導入
第1回、第2回とKSKからKSK2へのシステム更改に伴い変更点を説明しました。
今回は、KSK2の目的について説明していきます。

KSK2の目的

【第3回】約30年ぶりとなる国税システムの大規模更改 ~KSK2の目的~
2025年国税庁レポートにおいて、KSK2の開発コンセプトにつき以下のように記載しています。

1 データ中心の事務処理を実現するシステム(紙からデータ)

2 現在、税目別となっているデータベース・アプリケーションの統合(縦割りシステムの解消)

3 独自OSを使用する大型コンピュータを中心としたいわゆる「メインフレーム」から、市販の汎用的なOSを使用するいわゆる「オープンシステム」への刷新(メインフレームからの脱却)

1と2については、そのままで理解できるかと思います。
一方、3のメインフレームからの脱却はわかりづらいかと思います。
これは、独自OSを使用する大型コンピュータを中心とした専用性の高いシステムから、なるべく市販の汎用的な製品や技術を利用できるシステムへ変更するということかと思います。
独自システムはコストがかさみ、また、柔軟なシステム変更がしにくいという弱点があるため、なるべく市販の汎用的な製品や技術を利用できるシステムにすることで、コストカットと業務内容に合わせたシステムの統合・分割・簡素化などの見直しを行いやすくする、という狙いがあるものと思います。

AI-OCRの導入

AI-OCRの導入

上記のKSK2の目的のうち、「紙からデータ」という部分に関して、AI-OCRが導入されます。
AI-OCRとは、簡単にいうと、PDFやスキャンした書類などの画像から、AIを活用して文字や数値を認識し、データ化する技術です。
KSK2では、書面で提出された申告書や申請書等について、AI-OCRを活用して読み取り、データ化する仕組みが導入されます。
従前は、税務調査先の選定などに必要な各種分析をOAソフトで行っていましたが、KSK2では、システム内で直接データ分析を行うことができるようになります。
また、税目別などに分かれていたデータベースがKSK2で統合されるため、税務調査先の選定についても、より効率化・高度化が進むことが予想されます。
すなわち、KSK2によって直ちに税務調査自体が厳しくなるということではなく、むしろ調査先の選定の精度が今まで以上に高まるものと思います。
【著者プロフォール】葛西安寿(かさいやすひさ)|葛西安寿税理士事務所 所長税理士
青森県弘前市出身。弘前市、仙台市の税理士事務所勤務を経て税理士法人トーマツで8年間の下積みを経て2014年に開業。港区芝浦にオフィスを構える。悩める社長に寄り添い、適切なアドバイスを心掛けながら背中を押してあげることこそが、使命であると考え日々の業務に励んでいる。