会社の役員または従業員がおこした交通違反の罰金を、会社が負担することがあります。
この会社が負担した罰金は、その交通違反が会社の業務の遂行に関連するかどうかで取扱いが異なります。
会社が支払った交通違反の罰金
・急いでお客さんのところへ向かっている途中にスピード違反で捕まった
・配達中にちょっと路上駐車をして捕まった
このように会社の業務の遂行に関連する行為であっても、交通反則金は反則者である個人に課されます。
これを会社の使用者責任として会社が負担する場合は、その会社に課された罰金と考えます。
ただし、これが費用(厳密には損金といいます)として認められると、その分法人税の納税額が少なくなり、罰金としての意味合いが薄れてしまいます。
よって、罰金については費用としては認められず、ただお金が出ていくだけということになります。
・配達中にちょっと路上駐車をして捕まった
このように会社の業務の遂行に関連する行為であっても、交通反則金は反則者である個人に課されます。
これを会社の使用者責任として会社が負担する場合は、その会社に課された罰金と考えます。
ただし、これが費用(厳密には損金といいます)として認められると、その分法人税の納税額が少なくなり、罰金としての意味合いが薄れてしまいます。
よって、罰金については費用としては認められず、ただお金が出ていくだけということになります。
一方、会社の業務には全く関係のないところで発生した交通反則金については、本来、交通違反をした役員または従業員個人が支払うべきものとなります。
もし、このような交通反則金を会社が負担した場合は、次のように考えます。
①まず、会社がその役員または従業員に追加で給与を支払った。
②次に、その役員または従業員は追加で支給された給与で交通反則金を支払った。
会社が追加で支払った給与ですが、役員の場合は、定期同額給与以外は費用と認められないため、ただお金が出ていくだけとなります。
一方、従業員の場合は、追加給与は費用として認められます。
しかしながら、役員または従業員のいずれであっても、追加の給与を受けていることになるため、個人の所得税と住民税が高くなってしまいます。
もし、このような交通反則金を会社が負担した場合は、次のように考えます。
①まず、会社がその役員または従業員に追加で給与を支払った。
②次に、その役員または従業員は追加で支給された給与で交通反則金を支払った。
会社が追加で支払った給与ですが、役員の場合は、定期同額給与以外は費用と認められないため、ただお金が出ていくだけとなります。
一方、従業員の場合は、追加給与は費用として認められます。
しかしながら、役員または従業員のいずれであっても、追加の給与を受けていることになるため、個人の所得税と住民税が高くなってしまいます。
これらを纏めますと、次のようになります。
【会社が負担した交通違反の罰金】
※役員の業務外の罰金を会社が負担した場合、会社の費用にならないうえに、
役員個人の税金が増えることなります。
役員個人の税金が増えることなります。
【著者プロフォール】葛西安寿(かさいやすひさ)|葛西安寿税理士事務所 所長税理士
青森県弘前市出身。弘前市、仙台市の税理士事務所勤務を経て税理士法人トーマツで8年間の下積みを経て2014年に開業。港区芝浦にオフィスを構える。悩める社長に寄り添い、適切なアドバイスを心掛けながら背中を押してあげることこそが、使命であると考え日々の業務に励んでいる。