仕事を依頼したものの、事情が生じてその依頼していた仕事をキャンセルしたとします。
依頼を受けた先方は、予定していた仕事がなくなったため、依頼主にキャンセル料を請求しますが、この請求に消費税は課されるかどうかについて説明していきます。
キャンセル料の支払いに消費税はかかるか?
消費税は次の要件を満たすときに課されます。
✔国内において
✔「法人」・「個人事業主」が
✔対価を得て
✔「資産の譲渡」・「資産の貸付」・「役務提供」を行う
✔国内において
✔「法人」・「個人事業主」が
✔対価を得て
✔「資産の譲渡」・「資産の貸付」・「役務提供」を行う
予定していた仕事がなくなったことによるキャンセル料の意味ですが、「本来得ることができたであろう利益がなくなったことの補填金」と考えられます。
当初予定していた仕事がなく、すなわち「資産の譲渡」・「資産の貸付」・「役務提供」がない状態での支払となるため、上記の【消費税が課される要件】を満たさず、課税の対象とならないことになります。
仮に、キャンセル料の内容が「解約のための事務手数料」ということであれば、解約事務という役務提供を受けるための支払となるため、その部分については消費税の課税対象となります。
補填金と事務手数料が混在しているが、その内訳が不明という場合は、全体が不課税となります。
【著者プロフォール】葛西安寿(かさいやすひさ)|葛西安寿税理士事務所 所長税理士
青森県弘前市出身。弘前市、仙台市の税理士事務所勤務を経て税理士法人トーマツで8年間の下積みを経て2014年に開業。港区芝浦にオフィスを構える。悩める社長に寄り添い、適切なアドバイスを心掛けながら背中を押してあげることこそが、使命であると考え日々の業務に励んでいる。