先日、やっとの思いでクライアント先の電子申告が完了しホッとしていたところ、翌日にクライアントから電話がかかってきました。
何かトラブル発生かと思い電話に出たところ、国税庁から納税の督促メールが届いているとのことでした。
確かにこのクライアントは資金繰りが厳しく分割で納付していたのですが、その分割納付も遅れ気味だったので、聞いたことはないもののそういう督促もあるのかなと思いメールを転送してもらいました。
転送されたメールを見たところ、滞納金を期日までに支払わないと、不動産・自動車などを差し押さえる旨記載され、お支払いサイトのURLも記載されていました。非常に稚拙な文章で滞納金額も違えば、納税確認番号も異なり、はっきりと詐欺メールとわかるものです。
クライアントへは全くの偽メールなので無視するよう伝え事なきを得ました。
その後、国税庁のHPを確認したところ【緊急のお知らせ】として、「不審なショートメッセージやメールにご注意ください」というアナウンスが画面トップに記載されていました。
内容としましては、
①国税庁(国税局、税務署を含む)では、ショートメッセージによる案内を送信しておりません。
②また、国税の納付を求める旨や、差押えの執行を予告する旨のショートメッセージやメールも送信しておりません。 とのことです。
つまり、メールで納付を求めることもなければ、お支払いサイトへ誘導することも当然にないということになります。
今回、電子申告の翌日という絶妙のタイミングでメールが来たことと、実際に滞納があったことから、もしかしたらと思ってしまいました。
今回はすぐに偽メールということに気づきましたが、今後はより巧妙な文面になっていくことも考えられますので、くれぐれもご注意頂ければと思います。
国税庁をかたる偽メールに注意しよう!偽の国税庁から納税の督促メール
【著者プロフォール】葛西安寿(かさいやすひさ)|葛西安寿税理士事務所 所長税理士
青森県弘前市出身。弘前市、仙台市の税理士事務所勤務を経て税理士法人トーマツで8年間の下積みを経て2014年に開業。港区芝浦にオフィスを構える。悩める社長に寄り添い、適切なアドバイスを心掛けながら背中を押してあげることこそが、使命であると考え日々の業務に励んでいる。