申告期限を延長し、ゆとりをもって申告しよう!

期限
コロナ期間中、簡単な方法で申告期限を延長することができて助かったという方は多いのではないでしょうか。
実はこの申告期限の延長は、コロナ期間中だけの特例ではありません。

コロナとは関係なく、もともと申告期限を延長する制度が存在しています。
この延長を受けるためには「定款の定め等による申告期限の延長の特例の申請書」を所轄の税務署へ提出する必要があります。
そもそも法人の申告書は、株主総会の承認を受けた決算書を基に、事業年度終了の日の翌日から2か月以内に申告することになっています。
一方、その肝心の株主総会ですが、会社を設立する際に作成する定款において、事業年度末日の翌日から3か月以内に召集する旨定められています。
よって、仮に株主総会を3か月目に行ったとしますと、その3か月目に行った株主総会で承認を受けた決算書を基に申告するため、申告書の提出も3か月目に行わざるを得ないということになってしまいます。

申告期限は、上述の通り、事業年度終了の日の翌日から2か月以内となっているため、何もしなければ期限後申告となってしまいます。
そこで、「定款の定め等による申告期限の延長の特例の申請書」を提出することによって、申告期限を1か月間延長し、期限後申告を回避するということになります。
一見、申告期限の延長はいいことだらけに思えるかもしれませんが、注意点もあります。
本来は、2か月以内に申告・納付するのが原則ですので、納付が遅れた分については利子税という延滞税的なものを支払う必要があります。
ただし、利子税は延滞税とは異なり、損金算入(=費用となる)することができます。 また、2か月以内に概算で敢えて多めに税金を支払っておいて、3か月目に確定申告する際に多すぎた分の還付を受けることで、利子税を発生させないという技もあります。
以前は法人税や地方税は申告期限延長ができたものの、消費税は延長制度がなかったため、結局は2ヶ月以内にそこそこの精度で申告作業を進める必要がありました。
しかしながら、税制改正が入り現在では消費税の延長制度もできましたので、申請さえしておけば安心して3ヶ月以内に申告できるようになっています。

一般的には、本来3か月以内に行うことができる株主総会を、申告期限に合わせて事業年度終了の日の翌日から2か月以内に行い申告書を提出されている方が圧倒的に多いかと思います。

弊事務所では、設立の際の届出の一環として、法人税、消費税、地方税について延長申請を行っていますので、ゆとりを持った申告が可能となっています。
【著者プロフォール】葛西安寿(かさいやすひさ)|葛西安寿税理士事務所 所長税理士
青森県弘前市出身。弘前市、仙台市の税理士事務所勤務を経て税理士法人トーマツで8年間の下積みを経て2014年に開業。港区芝浦にオフィスを構える。悩める社長に寄り添い、適切なアドバイスを心掛けながら背中を押してあげることこそが、使命であると考え日々の業務に励んでいる。