「確定申告期限延長の適用」から得られるメリットと心のゆとり

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通常、法人税・地方税・消費税の確定申告書の提出期限は事業年度終了の日の翌日から2月以内です。
例えば3月決算の会社の場合は5月末が確定申告書の提出期限となり、税金を納付しなければなりません。

期限に遅れると、無申告加算税や延滞税などのペナルティ(法人の損金となりません)が課されたり、青色申告の承認が取り消されたり、と思わぬ損失を被る可能性があります。

期末から2か月以内に会計数値を固めて税額計算を行い、確定申告書を提出するのは、とてもタイトなスケジュールと言えます。
一定の要件を満たす場合には、確定申告期限が1か月延長されますので、適用を受けておくことをお勧めします。

なお、消費税についてはこれまで延長の制度がなく原則通りに期末から2か月に申告しなければなりませんでしたが、延長の制度が創設されました。2021年3月決算から申請可能です。
定款などで事業年度終了の日の翌日から2か月以内に定時総会が招集されない常況にあると認められる場合には、確定申告の期限を1か月間延長したい旨の申請書を提出することで、申告期限と納付期限が1か月延長されます。
延長の申請書には、定時総会が事業年度終了の日の翌日から3か月以内に開催されることの証明のために定款などを添付する必要があります。

株式会社の場合
株主総会の招集の条項に「事業年度終了の日の翌日から3か月以内に定時株主総会が召集される」旨を記載します。

合同会社の場合
株式会社のように定時総会を開催する文言がないことが多いため、計算の決算確定の条項に「事業年度終了の日の翌日から3か月以内に決算を確定する」旨を記載します。

申告期限の延長の申請書は、税務署、都道府県税事務所、区町村役場の三か所に、適用を受けようとする事業年度終了の日までに提出する必要があります。
例えば、2021年3月期から適用を受けたい場合には、2021年3月31日までに提出します。

申告期限の延長の適用を受けると、期末から3か月以内に確定申告と納付をすれば無申告加算税と延滞税が課されません。
期末から2か月を超えた延長期間について、利子税(法人の損金となります)が課されるのみとなります。
申告期限の延長の申請書の提出をしておくことで、決算作業と確定申告作業の時間にゆとりができますので、是非提出しておくと良いでしょう。