資産の費用化をコントロール|一括償却資産と少額減価償却資産

  • 港区芝浦の税理士コラム

一括償却資産と少額減価償却資産

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10万円以上の固定資産は、原則として減価償却によって耐用年数で費用化しなければなりません。

耐用年数は資産の種類ごとに定められていますが、長いものだと50年もの歳月をかけて費用化していくことになります。

例外的に、短期間で償却できる方法が2つありますのでご紹介します。

20万円未満の固定資産を一括償却資産といい、税務上3年間で費用にできます。
償却費は、取得価額の合計額×当期の月数/36で計算します。
初年度など例外的な場合を除き当期の月数は12か月ですので、取得価額の12/36すなわち1/3が費用になります。
取得した翌期や翌々期に、売却や廃棄処分等をした場合でも3期にわたって同じ償却費を計上していかなければならない点に注意が必要です。(通常の場合は、廃棄等したタイミングで未償却残高を費用に計上します。)

例えば、15万円のソフトウェアを10件、期末の最終月に購入して利用を開始した場合で考えてみましょう。
・一括償却資産とする場合 150万円×12/36=50万円をその事業年度の償却費として費用とすることができます。
翌期及び翌々期も同額が費用になります。

・通常の固定資産とする場合(耐用年数5年の定額法) 150万円÷5×1/12=2.5万円がその事業年度の償却費になります。
翌期以降は、150万円÷5×12/12=30万円が償却費になります。

中小企業者等(資本金の額が1億円以下などの法人)の場合、取得価額が30万円未満の少額減価償却資産を取得したときは、全額をその期の費用とすることができます。

ただし、1事業年度あたり300万円が上限となります。

先ほどのソフトウェア10件を少額減価償却資産として処理した場合、150万円全額を取得した事業年度の費用とすることができます。

金額判断の注意点

上記でご説明した「20万円未満か30万円未満か」という金額の判断は、税抜経理の場合は税抜金額で、税込経理の場合は税込金額で行う必要があります。

また、資産を購入する際にかかる不随費用、例えばエアコンや機械設置にかかる取付費用や運搬料などは本体金額と合算してから金額の判断を行う必要があります。

費用化できる金額を比較すると

取得した事業年度の費用になる金額を比較すると次の通り、どの方法を選択するかによって大きく異なります。

一括償却資産の場合:50万円
少額減価償却資産の場合:150万円
通常の固定資産の場合:2.5万円

まとめ

費用をなるべく多くしたい場合は、10万円以上30万円未満の資産について、これらの制度を積極的に活用すると良いでしょう。

逆に費用を可能な限り少なくしたい場合や、通常の減価償却方法に基づいて期間損益を計算していきたい場合もあると思います。

資産を購入するタイミングや決算が近づいたタイミングで、どのような方針で資産を費用化していきたいかぜひご相談ください。
一番いい方法をご提案いたします。