眠っている消耗品。「費用」と「貯蔵品」さてどっち?

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普段利用している消耗品類について、常に在庫を抱えている会社が殆どだと思います。
消耗品は原則としてそれを消費した事業年度の損金とする必要があることから、例えば会社パンフレットやチラシ、封筒、コピー用紙、ファイル、筆記用具などの消耗品をまとめ買いしている場合、期末に在庫の数を数える棚卸作業を行い、まだ使っていない分を当期の費用から除外しなければなりません。
このとき利用する勘定科目としては、「貯蔵品」が一般的です。
棚卸作業では、異なる種類の消耗品をそれぞれカウントして、購入時の単価を乗じて在庫額を計算していきます。

ただでさえ忙しい期末の時期にそのような作業を行うのは結構な手間ですし、毎期同じように購入して消費しているものを期末にカウントするのは、何のメリットもありません。
そこで、事務用消耗品、作業用消耗品、包装材料、広告宣伝用印刷物、見本品その他これらに準ずる棚卸資産は、毎期一定量を取得して経常的に消費するものに限り、取得した事業年度の費用とすることが認められています。
毎期同じ量を購入して消費しているのであれば、期末棚卸作業を省略して購入時の費用としても、課税所得の計算に大きな影響がないためです。
ポイントは、「毎期同じように購入し、同じように使っている消耗品」という点ですので、「単価を下げるために2年分まとめて発注した」場合などは、原則通りに棚卸を行って在庫管理をする必要がありますので気を付けましょう。

代表的なものとしては、次のようなものが該当します。
・事務用消耗品
封筒、コピー用紙、プリンタートナー、筆記用具、文房具、クリップ、付箋、テープ、電池など
・作業用消耗品
軍手、ゴム手袋、タオル、潤滑油、釘、ボルト、ナット、アルコールなど
・包装材料
段ボール箱、ビニール袋、包装紙、ガムテープ、緩衝材など ・広告宣伝用印刷物 ポスター、チラシ、パンフレット、うちわ広告、ポストカードなど
・見本品
消費者に配布するサンプル品など

これらに該当するものであっても、金額が多額で期末の在庫数量に大きな増減があるなど、課税所得への影響が軽微でない場合には、原則通りに在庫をカウントして費用から除外する処理をしなければなりません。
「毎期同じように購入し、同じように使っている消耗品」は、期末棚卸を省略することができますので、購入量や在庫量に大きな変動がないか確認の上、積極的に利用しましょう。

課税所得に与える影響が軽微かどうかの判断や、いつもより少し多く発注した場合など不安がある場合は、ぜひご相談ください。
税理士としてこれまでの経験をもとにアドバイスいたします!