「事前確定届出給与」に包まれた役員へのボーナス、その内容は?

  • 港区芝浦の税理士コラム
事前確定届出給与
役員給与を税務上の費用(損金)にするには、基本的に定期同額給与であることが必要です。
金額の変更は「年に1度、期首から3か月以内」のタイミングだけ認められていますので、それ以外の月はずっと同額でなければなりません。

しかし、住宅ローンのボーナス払いによって特定の月だけお金が必要になる、従業員のボーナス支給のタイミングに合わせて役員にも支給したい、といったケースもあると思います。
このような場合に活用したいのが事前確定届出給与です。

事前確定届出給与

事前確定届出給与とは、定期同額給与の例外として定められているもので、「予め支給時期と支給金額を定めた届出書を所轄の税務署へ提出しておけば、定期同額となっていなくても、損金として認める」というものです。
注意しなければならないのが、届出書の提出期限です。次のうちいずれか早い日までとなります。

①株主総会等の決議によりその支給時期と支給金額の定めをした場合には、その株主総会等による決議をした日*から1月を経過する日

②その事業年度開始の日から4月を経過する日
例えば、3月決算の法人で、株主総会の日が6月20日の場合、6月20日から1か月後の7月20日と、事業年度開始の日である4月1日から4か月経過する日である7月31日とを比べ、早い方の7月20日が提出期限となります。
なお、新設法人の場合はその設立の日から2月を経過する日までとなります。

*株主総会の決議をした日がその職務の執行を開始する日の後である場合にあっては、当該職務を開始する日

非常勤役員の事前確定届出給与

非常勤役員に対して、年に1~2回、所定の時期に期間棒を払う場合、会社が同族会社かどうかで取り扱いが異なります。
同族会社に該当しない法人であれば、届出の提出がなくても事前確定届出給与に該当するものとして会社の損金になります。

同族会社の場合は届出があって初めて事前確定届出給与として認められることになりますので、届出書の提出が必要になる点に注意しましょう。

注意点すべきポイント

注意すべきポイントとしては、次の通りです。

・事前確定届出給与の内容について株主総会で決議する
・正確な内容を記載した届出書を作成する
・期限までに届出書を提出する
・届出書の内容の通りに支給する(日付も金額もぴったり)

届出書を提出した後、実際に支給するタイミングを失念したり、届出書と少し違った金額で支給してしまったりすると、事前確定届出給与に該当しないため、支給した額は法人の損金となりません。

事前確定届出給与は、「緻密に、間違いなく」が鉄則です。
もちろん、税務調査の際は事前確定届出給与が正しく支給されているかどうかを細かく調べられます。
ルール通りに支給できるか不安がある場合は、定期同額給与で支給していくことをお勧めします。